小児皮膚科

小児皮膚科について

小児皮膚科について

小さいお子様の皮膚は、大人の皮膚とは違って非常にデリケートです。小児特有の皮膚疾患があることと、先天性皮膚疾患のほとんどは小児期に分かることから、細やかな診断と適切な治療が必要です。

週1回,小児科の兄が院長をする「あらおファミリークリニック (小児科)」(埼玉県鶴ヶ島市)で診療を行っています.小児科の兄と時折相談をしながら,たくさんのこどもの皮膚病治療を行っています.美容皮膚科の経験も活かし,より美しく治すことにこだわりを持っています.

子供の皮膚の特徴

子供の皮膚は、バリア機能を果たす角質層が大人よりも薄いため、皮膚トラブルが起こりやすい特徴があります。生後間もない新生児期からすでに皮脂分泌が急激に減り始めます。このため、小児期・思春期前までは皮膚トラブルが起こりやすい時期とされています。

よくある疾患

あせも(汗疹)

小さいお子様は汗腺が少なくて、汗をかきやすいため、あせもが多くみられます。あせもは、汗腺が詰まることで炎症が起こった状態を刺します。発赤やブツブツが現れ、痛みや痒みが起こります。
汗をかきやすいお子様は、汗をこまめに拭き取ったり、皮膚を清潔に保ったりして、あせもを予防することが重要です。特に1歳未満のこどもは厚着させすぎないよう気を付けてください.

虫刺され

虫に刺されたり、噛まれたりすることで皮膚に痛みや痒み、発赤、湿疹が現れます。特に、お子様は遊びに夢中になり野外で無防備に過ごすことが多いため虫に刺されるといった場面が多くあります。
蚊や蜂、毛虫、シラミ、ノミなど様々な種類の虫がいるため、小さいお子様が野外に出かける際は、虫よけスプレーや虫よけパッチなどを利用したり、長袖の着用を心がけたりなどの配慮が必要になります。
 

アトピー性皮膚炎

痒みが伴う慢性的な湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚炎を、アトピー性皮膚炎といいます。特に、子供の皮膚は薄く、乾燥しやすいため、バリア機能に異常をきたすことが多いです。また、遺伝的要因がある場合は、アトピー性皮膚炎を発症しやすいため、適切な対処が必要となります。
主な治療は、まずは痒みによる苦痛を抑える対症療法を行います。保湿剤やステロイド剤、抗アレルギー薬などを用いて、炎症を抑えながら、痒み症状を緩和させます。
気管支喘息のお子様の半数以上にアトピー性皮膚炎がみられる、または既往歴があるとされています。喘息をこれ以上悪化させない予防の観点からも、アトピー性皮膚炎は早期の適切な治療が必要です。
また、肌に直接触れる石鹸や洗剤などは、防腐剤や香料などの化学物質を含まない製品を使用することも大切です。日頃から適切なスキンケアを行い、肌を保湿してあげることも欠かせません。当院では改善しにくい部位に対して、中波紫外線療法:エキシプレックス308による治療を保険で受けることができます。

乳児脂漏性湿疹

乳児脂漏性湿疹は、生後3カ月~半年頃に現れる湿疹で、主に頭皮や顔に出やすいとされます。痒みが伴う発疹で、次第に瘡蓋ができる皮膚炎です。だいたい2歳頃には自然治癒しますが、強い痒みが出ると湿疹を掻き壊してしまい、悪化してしまうことがあり、過剰な皮脂分泌が原因といわれています。
赤ちゃんのお肌を清潔にして、十分な保湿を心がけることが重要です。湿疹の症状がなかなか治まらない場合は、早めに当院までご相談ください。

とびひ

汗疹や虫刺されなどによってできた発疹に細菌感染することで、発疹の範囲が広がってしまう状態です。発疹や傷は痒みが伴い、患部を掻き壊すなどで細菌が飛び散ってしまい、さらに範囲が広がり、患部もジクジクと悪化してしまいます。
子供に多く見られるとびひのほとんどが水疱性で、痒みが伴います。掻きむしることを防ぐために、早い段階で抗ヒスタミン剤や抗生物質などで治療を行います。

水いぼ

水疱のような光沢のあるイボが出てきます。水いぼは、伝染性軟属腫ウイルス感染によって現れます。特に、乾燥によって皮膚バリアの機能が低下したり、アトピー性皮膚炎の子供に多くみられます。プールでビート板などの道具を介して、伝染します。浴場などのタオルなども共用するのは控える必要があります。
水いぼは、免疫力が高まるにしたがって自然治癒します。一般的な治療は、ピンセットのような医療器具を用いて水いぼを除去しますが、痛みが伴うため特に小さいお子様には麻酔テープを使って施術を行います。とはいえ,恐怖感をあたえてしまうので,当院では摘除治療のほか,液体窒素療法や水いぼクリーム(m-bfクリーム)を取りあつかっています.

水ぼうそう(水痘)

水ぼうそうは、ヘルペスウイルスのうち、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染で発症します。初期症状として、発熱や頭痛が現れて1日程経過するうちに身体に赤い発疹が出てきます。次第に全身に発疹が広がって、強い痒みを伴って水疱から瘡蓋になって治っていきます。
子供の水ぼうそうは感染力が強く、学校保健安全法によって定められている感染症のため、全身の水疱が瘡蓋になるまで出席停止扱いとなります。水ぼうそうは重症化することはほとんどありませんが、抵抗力が落ちている場合やアトピー性皮膚炎がある場合は重症となることがあるため、注意が必要です。

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